Ⅰ、異例の全集=鏡花自らが「生誕 50 歳を記念」して企画
本全集が泉鏡花の生前刊行唯一の全集で、
②大正14年7月から2年7月にかけて、全15 巻の刊行が実現した。
③当時高額でもあり各巻共数百しか発行されず、非売品でもあった為「幻の鏡花全集」と言われ多くの鏡花ファン を魅了した羨望の「超豪華版装丁愛蔵版」初版全集です。
Ⅱ、当時の表現と文体、学術的価値=日本語の美を極限迄追求し、発揮
鏡花自ら陣頭指揮にあたり、六名に編集参訂の任を委託した。
小山内薫、谷崎潤一郎、里見弴、水上龍太郎、久保田万太郎、芥川龍之介、
②作品は五百余篇を数え、断簡零墨をも一つ残らず集め、
③全体を小説、戯曲、随筆の 三方面に分け、それぞれ年代順に配列した。
Ⅲ、美術的成果=巻頭に日本画大家の挿し絵を多彩に掲載
印刷の体裁は、小村雪岱、濱野英二の両氏が当たった。
②装丁は、岡田三郎助画伯の意匠に成り、総絹張り、天金の典雅壮麗さを誇りに足る。
③特装函入で、天地をリベット金具で止め、新しい様相を引き出した。
④特装函の表には、其の巻収録索引の筆書きの目次紙を貼った斬新さが目を引く。
◎体裁:菊判(天地 226×150)、上製、ハードカバー、天金装、絹透かし絵金線造本、直筆の草稿、画賛 挿し絵、写真等多数収録、天地リベット金具止特装函入、全巻総頁約 13,100 頁、巻平均 870 頁