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「永遠の絆」
夕暮れの空が染まる高台のテラスで、私は大切な喜平ネックレスを手に取っていた。K18WGの6面ダブル喜平、60センチの長さと51.12グラムの重量が、手の中で心地よい存在感を放っている。5.18ミリの太さは、父が最後に私に残してくれた大切な形見だった。
父は宝飾品店を営んでいた。店は小さかったが、確かな目利きと誠実な商売で、地域では評判の良い店だった。私が子供の頃から、父は喜平ネックレスについて熱心に語ってくれた。造幣局の刻印が入った本物の喜平の美しさ、職人の技が生み出す繊細な輝き、そして何より、喜平に込められた想いの深さを。
「喜平は単なるアクセサリーじゃないんだ」と父はよく言っていた。「これは、世代を超えて受け継がれる絆なんだよ」
父が他界して5年。店は私が引き継ぎ、父の教えを守りながら営業を続けていた。この喜平は父が最期に私に託したもので、いつか本当に大切な人に渡してほしいと言われていた。
そんなある日、一人の若い女性が店を訪れた。彼女の名は美咲。祖父の形見の喜平の修理を依頼に来たという。手にしていたのは、私の父が作った喜平だった。
「この喜平、私の祖父の大切な宝物だったんです」と美咲は語った。「でも最近、留め具が緩んできて...」
私は彼女の喜平を丁寧に預かり、修理を約束した。その後、彼女は時々店に様子を見に来るようになった。喜平について語り合ううちに、私たちは自然と親密になっていった。
彼女もまた、喜平に特別な想いを持っていた。祖父から受け継いだ喜平は、家族の歴史そのものだと。その想いは、私の父が語っていた言葉と重なっていた。
やがて私たちは付き合うようになり、そして結婚を決意した。プロポーズの日、私は父から託された喜平を彼女に贈った。
「これは父から受け継いだ大切な喜平です。美咲さんと共に、新しい歴史を刻んでいきたい」
彼女の目に涙が光った。「私も、祖父の喜平と共に、二つの家族の想いを永遠に大切にしていきたいです」
今、私たちの店のショーケースには、二つの喜平が並んで展示されている。それは単なるジュエリーではない。私たちの家族の歴史であり、未来への約束。そして、世代を超えて紡がれる永遠の絆なのだ。
テラスから見える夕陽が、ホワイトゴールドの喜平に温かな光を投げかけている。きっと父も、天国で微笑んでいることだろう。喜平が結んだ縁は、これからも私たちの人生を優しく照らし続けていくに違いない。
